山カツの日〜山が呼吸し生き物がめぐる小道づくり
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相模原市緑区・日連地区にそびえる金剛山は、かつて人々から「水の山」と呼ばれていました。
山に降った水が谷を流れ、湧水となり、ふもとの田んぼを潤し、やがて相模川へとつながる──地域の暮らしを支える大切な水源地でした。
しかし、昭和中期の宅地開発や都市化・高齢化の進行により、登山道から一歩外れると、手入れがされない藪化した人工林が広がっています。
森は光や風が通らず、生き物の動きも鈍り、山の機能が失われつつあります。
今回、山主さんのご賛同を得て、保安林に指定された杉檜林の手入れを、地域と参加者で協働して実施することになりました。
今回のテーマは
「人も生き物も通れる、“細やかな山の道”をつくること」
です。
道づくりは「山の再生」の第一歩
良い山の道とは、ただ人が歩くためだけのものではありません。
- 等高線に沿ったゆるやかな小段
- 山側・谷側を枝葉で支える“しがら”
- 雨水が浸透し、泥水が浄化される地形
こうした道は、水がしみ込み、空気がめぐり、草木が再生する装置になります。
さらに、小さな道が通ることで、人の手入れが入る範囲が広がり、動物たちの移動ルートも守られ、多様な生き物が息づける森へと変化していきます。
今回の作業では、倒木の整理や間伐を行いながら、人がひとり歩ける、やわらかな小道をつくります。
山の健全性を取り戻すための、小さくて大きな一歩です。
プログラム内容
◆ 山の循環を学ぶ
- 山と川の生態系のつながり
- 中山間地域が抱える現状と課題
- 道づくりが山の再生に不可欠な理由
◆ 山の中での実践
- 倒木整理、間伐
- 通気と浸透を促す“細やかな道”の造成
- 谷を渡る際の「流れを遮らない手入れ」
- 獣道を守りながら多様性を育む整備
学びと体験
このワークショップでは、山の現場で身体を動かしながら自然と人が共生するために必要な“山の基礎体力づくり”を学びます。
- 山の水がどこを通り、どこで滞っているのか
- どんな地形に手を入れるべきか
- なぜ道づくりが水と空気の循環につながるのか
- どうすれば森が再び呼吸し、生き物が戻ってくるのか
そのすべてが、現場で初めて“実感”として理解できます。
静かな森の中で、枝を動かし、風が通る瞬間を感じる──ただの作業ではなく、山と対話しながら整えていく感覚を味わえる貴重な時間です。
初心者の方、体力に自信のない方でも参加できます。
山に触れたい、自然の再生を学びたいという気持ちだけお持ちください。
スケジュール(予定)
9:00 集合・自己紹介と講義
10:00 金剛山へ移動
10:30 作業開始(道づくり・倒木整理・間伐)
12:00 昼食・交流タイム
13:00 午後の作業(小段・しがらづくり 等)
15:30 片付け・振り返り
16:00 解散
イベント詳細
- 日程
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12月13日(土) 9:00~16:00
・途中参加、退出可能。
・雨天中止の場合、前日までにEメールでご連絡します。 - 集合場所:
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森のイノベーションラボFUJINO(相模原市緑区小渕2012)
https://maps.app.goo.gl/cZKLuA7MkNmJbcdTA
・作業場所の現地まで乗り合いで向かいます - 駐車場
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無料
・藤野総合事務所の駐車場をご利用ください - 参加費
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1,000円/人
- 定員
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15名(先着順)
・定員になり次第、受付を終了します。 - お申し込み
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以下のフォームよりお申し込みください
https://forms.gle/vGvUEtjQT5toj7vr5 - 持ち物
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・汚れてもいい服装と長靴、軍手、帽子
・飲み物、昼食、軽食(必要な方)、タオル、着替えなど必要なもの
・手道具(移植ゴテ、ノコギリ鎌、剪定バサミ、手ノコギリ)
※手道具はご用意できる範囲でOKです - ガイド
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井上進吾:里地創生プロジェクトリーダー。
ベンチャーと大手企業で、人と組織づくりに携わる。2021年から地元・神奈川県相模原市藤野地区で、河川や登山道の整備、放棄地再生などの活動に取り組み始め、2025年4月に独立。里地創生プロジェクトを立ち上げて本格的に活動を推進中。例えを交えたわかりやすい説明に定評があり、地域課題や要望を持つ人をつなぎ、地元住民と移住者の交流の機会を創出。里地里山に伝わる暮らしの知恵や自然との関わり方を、未来へつなぎ、さらに発展させていくことを目指している。 - キャンセルについて
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・キャンセルの場合は事務局までお知らせください。
・当日キャンセルの場合、参加費のお支払いをお願いしております。 - 主催
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NPO法人ふじの里山くらぶ
- 協力
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令和7年度相模原市協働事業、里地創生プロジェクト、森のイノベーションラボFUJINO
