粘着製品で世界の農業を変える
~大協技研工業が取り組むSDGs~

 今回お話を伺ったのは、粘着製品で様々な課題解決に取り組んでいる、大協技研工業株式会社 代表取締役の大山さん。

 「粘着製品を通して豊かさを創造する」という経営理念のもと、斬新で社会貢献性の高い商品を開発し、「JICA2021年度第1回中小企業SDGsビジネス支援事業における基礎調査」に採択されたり、国が選定する「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定されるなど、成長を続けています!

ヌンチャクで農業を変える!ブンブン振り回して畑を耕すのでしょうか?

そんな訳ないでしょ…。きっとブンブン飛び回る害虫をキレキレのヌンチャクさばきで叩き落すのよ!

なるほど!農薬を使わないから確かに世界の農業が変わりますね!

ヌンチャクじゃなくてネンチャクだよ!それではお話を聞いていくよ!


大協技研工業株式会社
大山 純平さん(中央)
鈴木 裕二さん(左)
覚張 清忠さん(右)

プロフィール

大山さん
大協技研工業株式会社 代表取締役

粘着活用による「ものづくり」や「ことづくり」を通して当社の社是である「豊かさの創造」を追求していきます。

鈴木さん
取締役営業本部長

粘着の可能性は無限大です。SDGsについても積極的に活動を行い、IVY(つた)ブランドの可能性も拡げていきます。

覚張さん
取締役管理本部長

世界にも目を向け、当社製品が役に立てることを見つけ一歩ずつ進めてまいります。

粘着製品で世界に貢献!

―― 粘着製品と言っても色々あると思うのですが、どのような製品を作っているのでしょうか?

大:分かりやすいところではいわゆる「テープ」ですね。「IVY(アイビー)」というオリジナルブランドで、物を固定する吸着テープや両面テープなど様々な製品を展開しています。

―― 他にはどんな製品を?

大:工場などで小さな虫や、チリ・ホコリなどを捕獲するクリーン製品も広く展開しています。お客様のニーズに合わせてより使いやすい製品を創る、長年つちかってきた「モノづくり」のノウハウで社会に貢献したいと常に思っています。

―― 粘着製品と言っても色々あるのですね。

粘着製品・加工製品

大:そうですね。最近では農業における害虫対策に力を入れていて、様々な製品を開発しています。昨年開発した 「ラスボスRタイプ」 という製品は 、モノづくり日本会議が主催する超モノづくり部品大賞の「ものづくり生命文明機構 理事長賞」 を受賞しました!

―― かなりインパクトのある商品ですね!特徴を教えてください。

大: この製品は、昆虫の視覚生理学に基づいて、兵庫県農林水産技術総合センター、国立大学法人浜松医科大学と共同で開発しました。
簡単に言うと、昆虫が好む色や模様を利用して虫を誘うんです。

大:粘着剤も特殊なものを使っていて、この製品はコナジラミ類などの害虫は一度捕獲すると逃げられないのですが、受粉のために飛んでいるミツバチは一度くっついても逃げられるんです!

―― 絶妙の粘着力なんですね!

大:はい、これまで培ってきた粘着に関する技術を駆使して開発しました。

―― ネーミングもかなりユニークですね。

大:これに勝るものはない害虫対策の最終兵器、という意味合いで社員が付けました。ちなみにRは令和です。

―― 令和のRだったのですね…。

大:本当は違う意味があるらしいのですが、私は令和のRと理解しています。

―― (笑)

大:最近は大協技研といえば農業における害虫対策というイメージが定着しつつあって、先日JICAさんの「中小企業・SDGsビジネス支援事業における基礎調査 」に採択されました。

解説:JICAとは

独立行政法人国際協力機構
専門家や海外協力隊の途上国への派遣、途上国からの研修員や留学生の受け入れ、途上国への資金協力などを通じて、途上国とともに様々な課題解決に取り組む組織。

解説:中小企業・SDGsビジネス支援事業とは

開発途上国の開発ニーズと日本企業の優れた製品・技術等とのマッチングを通じて、開発途上国におけるSDGs達成に貢献するビジネス(SDGs ビジネス)を促進し、開発途上国の課題解決と日本企業の海外ビジネス展開の両立を目指すもの。

―― すごいですね!今後JICAさんと連携して途上国の課題解決に挑むのですね。

大:そうですね。害虫を捕らえるシートで、フィリピンで貧困、飢餓、環境破壊といった課題解決に向けた事業を進める予定です。

―― 貧困、飢餓、環境破壊ですか。

大:はい。フィリピンの農業は、農薬の使い過ぎによる健康被害や、土壌汚染・生物多様性破壊など様々な課題を抱えています。農薬に頼りすぎたことが原因で、土壌が疲弊して農場全体の2割しか作物を収穫できない農家さんもいます。結果として生産性が低くなり、所得が低い農家が多いという現状があります。

――なるほど。 捕虫シートであれば土壌汚染を防げますね。結果として農業の生産性が上がれば貧困や飢餓が減る。環境にも社会にも経済にも好影響が見込める、まさにSDGsな取組ですね!

大:長年こだわってきた粘着の技術で世界の課題に貢献できることは誇りに思います。

――本業で社会課題の解決に貢献し、ビジネスとして成立する。企業におけるSDGsの理想的な形だと思います!

DAIKYO PHILIPPINEメンバー(2016年)

カブトムシは捕まるけど、カナブンはリリースできるシートは無いですかね。

相談してみたら…。

障がい者雇用について

―― 大協技研さんは、障がい者雇用にも積極的に取り組まれていて、「かながわ障害者雇用優良企業」にも選定されています。取組のきっかけはあったのでしょうか?

大:そうですね。プライベートなことになるのですが、最初のきっかけは自分が障がいがある子の親になったことですね。自分の子供が将来働くことについて考えていくうちに、他の障がいがある人はどうなんだろう?と思い始めました。
そこから障がい者雇用を進めている企業を色々見に行き、感銘を受け、自社でも取組を始めたんです。

―― なるほど。最初から上手くいったのでしょうか?

大: 最初から全てが上手くいったという訳ではないのですが、今では皆さん活躍をしています。

―― 何かポイントはあるのでしょうか?

大: そうですね。「決まったやり方を押し付けない」という点がポイントですかね。一口に障がいと言っても様々な特性があって、得意なことや苦手なことがあります。その人の特性を理解し、その人ができるやり方を考え仕事をしてもらうということですかね。

―― なるほど。

大: そうした取組を進める中で、最初はゆっくりしかできなかった仕事が、他の従業員の工夫や、時には自身で工夫をして早くできるようになります。このことは障がいのある方だけではなく、他の従業員の成長にも大きくつながっていると感じていますね。

―― 他の従業員の方にとっても良い影響があるというのは、素晴らしいことですね。

大:最初はそこまで考えていませんでしたが、結果として会社にとって好影響が生まれていますね。

―― 今後の目標などはありますか?

大:もちろん障がい者雇用は続けていくのですが、自社で雇用できる人数には限界があります。自らの経験を伝えることで、他の企業でも障がい者雇用が広がればいいなと思っています。

―― すでにそのような取組も始められているのでしょうか?

大:そうですね。徐々にではありますが。実態としてどのような問題が起きて、どのように対処して、どのような成果があったか。そんな話をさせてもらう機会をもらっています。

―― それがきっかけで障がい者雇用を始める企業もありそうですね。

大:そうなってくれれば嬉しいですね。

企業経営者に向けた”青空教室”形式でのセミナー

SDGsについて

―― 大協技研さんはSDGsについて意識しているのでしょうか?

大:SDGsが普及する前から、技術を生かした社会課題の解決、障がい者雇用に取り組んでいましたし、これは結果としてですが女性の雇用が多いですとか、パートナーシップを醸成する取組を進めるなど、SDGsにつながることはしていましたね。

―― パートナシップを醸成する取組とは?

大:近隣の会社を巻き込んで大々的にフットサル大会を開催するなどスポーツを通じた連携の強化に取り組んでいます。おひとり様大会にして知り合いを増やしてもらうとか、試合中の名刺交換をOKにするなどの工夫もしていますね。

―― かなりユニークですね!

大:ちなみに自社の屋上にはフットサル場があります。

―― すごいです!もっと詳しくお聞きしたいところですが、話をSDGsに戻しますね。

大:失礼しました。元々の取組はありましたがSDGsを知ったことにより、改めて様々なものを体系立てて考えるようになりました。
 SDGsのゴールを見て、「うちはこういうことを目指していこう」だったり「こういうことで貢献したいよね」だったり、そんな風に考えられるようになったのは、SDGsを知って良かったことだと思います。

―― なるほど。

大: あとは、今は子供たちが授業で知って取り組んでいますから。我々大人がやらないわけにはいかないな、と思っています。

―― 本当にそうですよね。今後の目標はありますか?

大:害虫対策というのを会社の柱の一つに据えて、様々な課題を解決し、社会を豊かにしていきたいですね。

―― 新たな製品の開発にも期待しています!

大: そうですね。社会課題の解決につながり、しかも社員が自分の子供や家族に自慢できるような製品を創りたいですね。

終わりに

高い技術力とユニークな発想で成長を続ける大協技研工業さん。社会を豊かにする」という理念のもと、様々なチャレンジを続けています。

本業である粘着製品による農業への貢献は、貧困や飢餓、環境問題の解決につながるとともに、障がい者雇用の推進に加え、職場体験の受け入れなど本業以外の様々な取組もSDGsにつながっています。

フィリピンでの取組や、ユニークな商品開発など、今後のさらなる飛躍がとっても楽しみです!

ラスボスRタイプと掛けて、締め切りをきっちり守る会社と解きます。

そのこころは?

がいちゅう(害虫・外注)がたくさんとれる(捕れる・取れる)でしょう!

みんなもSDGsアクションを始めよう!