美容師が取り組むSDGs!~すべての人に健康と福祉を~
【 trip hair salon HINATA 】

美容師が取り組むSDGs!~すべての人に健康と福祉を~<br>【 trip hair salon HINATA 】

今回、お話をお伺いしたのは、相模原市を中心に『訪問美容』サービスを提供している「trip hair salon HINATA(トリップヘアサロン ヒナタ)」の代表、唐沢さん。

解説: 訪問美容とは

『訪問美容』とは、高齢者の方や病気や怪我、障害のある方、妊娠中の方など、 様々な理由で美容室へ行くことが難しい方へ、ご希望の場所に訪問し、美容院の サービスを提供するものです。

また、唐沢さんのお店は、神奈川県に、女性が開発した優れたサービスとして「神奈川なでしこブランド」にも認定されています。

「いつまでもキレイでいたい」という気持ちを、外出ができないために諦めていた方 が、サービスを提供されることにより、心から笑顔になり、健康に繋がることは、SDGsゴール3「すべての人に健康と福祉」などに繋がると言えます。

SDGsで良く言われている“誰一人取り残さない”の考えに当てはまりますね!

今回は、そんなサービスを提供している「trip hair salon HINATA」の代表唐沢さんに、『どのような取組をしているか』『SDGsに対する思い』などについてお話を聞いてきたよ!

今回のインタビューに答えてくださった方

trip hair salon HINATA 代表
唐沢 あみ さん

プロフィール

相模原市で生まれ育ち、地元に貢献したい気持ちから相模原市の美容室でヘアスタイリストを経験。
その後、施設に入所した祖母の髪を切り、喜んでくれた経験をきっかけに、自身で「trip hair salon HINATA」を開業。
市内や近隣市の外出が困難な方にサービスを提供し、多くの人を笑顔にしている。

どんな取組をしているか?

―― 外出が困難と言っても、色々な理由があるかと思いますが、どういった利用者が多いのでしょう?

唐 : やはりご高齢の方が一番多いですね。足腰が弱くなってしまったり、介護が必要 だったりと、中々美容院に行くのが難しい人はたくさんいます。

―― これからさらに必要とする人は増えそうですね。 僕も頼もうかな!

唐:「訪問美容」は誰でも利用できる訳ではなくて、きちんと法律で利用できる人が決まっているんです。妊婦の方や、小さいお子さんがいて預け先がなく外出が困難なお母さんなども対象になります。

―― なるほど!
妊婦の方や、小さいお子さんがいるお母さんの利用状況はどんな感じなんでし ょう?

唐:とても多いです。自分自身も妊婦時代などに美容院に行けなかったので、とても気持ちが分かります。

―― 色々な方が利用されているんですね。利用された方たちはどんな様子ですか?

唐:皆さん本当に笑顔になり、表情が明るくなります。「美しくなる」ことは健康に繋がっていくと実感しています。

実際に、高齢者の方が「美容」に気をつかうことは、『健康寿命の延伸や介護費用の削減に有効である』という研究結果もあると聞きました。

―― まさにゴール3「すべての人に健康と福祉を」ですね!

唐:また、外出が困難な方は、普段コミュニケーションをとる方が限られていることが多いので、コミュニケーションも大切にし、ご利用いただいた方に少しでも笑顔になってもらい、精神面での健康にも貢献できたらと考えています。

―― 素晴らしい!普段お話する人がいない人は喜ぶ人も多そうですね!

唐:高齢者の方は、皆さん、たくさんお話をしていただきますね。
また、妊婦の方やお母さんも、私が同じママということもあり、子育ての悩み など色々なお話を聞かせていただいています。

―― 何か活動の中で、気を付けていることはありますか?

唐:一番は、お客様に安全に安心して利用してもらうことです。
寝たきりなどの介護状態のお客さまなどにもしっかり対応できるよう、介護資格も取得しました。

―― 介護資格を持った美容師さんは、確かに頼む側も心強い!

外出が難しい人がキレイになり、健康になることは、SDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」に繋がっているね!
コミュニケーションにより精神面での健康にも貢献しているのも素晴らしい!

その他のSDGsの取組

―― 唐沢さんみたいな女性が起業して活躍するのは、SDGsゴール5「ジェンダ ー平等を実現しよう」にも繋がっていきますね。

唐: この「訪問美容」のお仕事は、女性、特に私のようなお母さんに向いていると 考えています。

―― えっ!それはなぜでしょう?

唐: 「訪問美容」のお仕事は、店舗勤務と違い、予約がない時間は自宅で家事や育 児をすることも可能です。

―― なるほど。確かにそれなら家事や育児と両立できますね!

唐: また、女性のお客様は、安心して利用できるという理由から、同じ女性の美容 師を求める傾向があります。

特に妊婦やお母さんで訪問美容をご利用される方は、同じお母さん美容師が来ることにより、子育て相談などもしながら、安心して利用できます。

―― そういった点でも女性やお母さんに向いているんですね!

唐: そうなんです。そして訪問美容は店舗を持たないため、固定費を人件費に回す こともできることから、パートなどで働くよりも、収入を多くすることも可能 です。

―― おー凄い!女性の経済的な自立にも繋がりますね。

唐: 美容師はあまり収入が良くないことが多く、美容師免許を持っているけど、今はあまり使っていないお母さんがたくさんいると思います。

まだ先の話にはなりますが、そのようなお母さん達を巻き込んでいけたらとも考えています。

―― まさに女性活躍ですね!

唐: また、訪問美容の仕事は、本当にお客様に感謝され、やりがいのある仕事だと 感じています。

皆さん「来てくれてありがとう」「本当に助かりました」など感謝の言葉を口に 出してくれます。

―― やりがいのある仕事という点では、SDGsゴール8「働きがいも経済成長も」にも繋がっていきますね。

唐: はい。私のこれまで覚えた技術や経験が、困った人の役に立てるということを 実感できることは本当に幸せです。

女性が活躍しすることにより経済的にも自立し、多くの人の健康や福祉に貢献できる「訪問美容」は、まさにSDGsの考えだね!

SDGsに対する思い

―― 唐沢さんは、そもそもSDGsをどこで知ったのでしょう?

唐: 昨年市が行ったお笑い芸人がSDGsを教えてくれる「笑って学ぶ SDGs 」というイベントで知りました。

―― そうだったんですね。そこから何か意識が変わりましたか?

唐: 意識が変わったというのは大げさですけど、「訪問美容」のお仕事も含めて、自分でもできることから始めようと思いました。

―― SDGsに取り組んでいて何か変わったことはありますか?

唐: SDGs に取り組んでいるという意識で仕事をしている訳ではないですが、私 のような個人が、このように市などに取り上げられてもらえることなどは変わったことだと思います。

―― 唐沢さんにとって SDGs とは

唐: あんまり偉そうなことは言えませんが、「一人ひとりの小さな活動が、世界を 変える!」ですかね。私でも日本や世界の何かの役に少しでも立てているのな らそんな嬉しいことはないです。

「一人ひとりの小さな活動が、世界を変える!」とてもいい言葉だね。
みんながその意識で取り組めば、本当に世界は変わる!

終わりに

感謝されるやりがいのある仕事をしながら、「多くの人に笑顔になって欲しい」という想いを持って行動することにより、結果的にSDGsに繋がってきた話が印象的でした。

また、大きな企業ではなくても、 SDGs に取り組んでいるお店や企業が増えることは嬉しいことですね。

この記事をご覧になっている皆さんも、まずは自分でできることに取り組んでみまし ょう!