「おがくず」でSDGs!?
【 マルトシフロアーコーポレーション 】

「おがくず」でSDGs!?<br>【 マルトシフロアーコーポレーション 】

今回、お話をお伺いしたのは、これまで廃棄されていた『おがくず』を活用し、森林保全を推進する(株)マルトシフロアーコーポレーション代表の網野さん。

(株)マルトシフロアーコーポレーションさんは、SDGs推進に資する事業を展開している企業として、第1期「かながわSDGsパートナー」に登録されました!

いきなりだけど問題!
『おがくず』とは何でしょう??

おがくずは、漢字で「大鋸屑」。
大鋸(おが)は丸太から板を切り出すための大型の鋸(ノコギリ)のこと。
つまり、木材を加工するときに生じる目の細かい木屑を『おがくず』と言います!

珍しく正解・・・
しかも詳しすぎ!

すべてWikipedia情報です!

・・・・

地元の木材を加工する際に出る『おがくず』を有効活用しているんだよ!
それでは詳しく話を聞いていくね!

株式会社マルトシフロアーコーポレーション
網野 通さん

プロフィール

相模原市緑区根小屋で内装・床施工会社を経営。

内装業で、ほこりが舞わないように使用されていた『おがくず』の優れた吸引力に着目し、『津久井おが子』を商品化。

水源地域にある会社として森林保全に貢献している。

「おがくず」に新たな価値を!

――具体的にどんな取り組みをしているのでしょうか?

網:これまで廃棄されていた「おがくず」を市内製材業者から集めて「津久井おが子」として販売し、売上の一部を森林保全活動に寄付する活動をしています。

――SDGsの様々なゴールにつながりそうな活動ですね!ちなみに「おがくず」は何に使われるのでしょうか?

網:建築現場での場内清掃、工場での油やインクの吸着材・水分の吸収材、金属加工の後処理、駅や居酒屋などでの嘔吐物処理などに使われます。

――色々なことに活用できるんですね!

網:しかも100%自然素材なので、環境に負荷をかけないという点でも積極的に活用すべきだと考えています。

「津久井おが子」

――この取組を始めたきっかけは何でしょうか?。

網:地元の製材所で大量のおがくずを見て、しかもそれが廃棄されているということを知ったのがきっかけですね。

本業の内装業で「おがくず」の利用価値は知っていましたので、捨てるんだったら有効活用しない手はないと思いました。

――津久井おが子の売上の一部を森林保全活動に寄付しようと思ったのは何故ですか?

網:森林には水を綺麗にする機能や、土砂災害の防止、生物多様性の保全、二酸化炭素の吸収など様々な機能があって、私たちは「森に生かされている」と言っても過言ではありません。

そんな森に少しでも恩返しができればという思いからですね。

――なるほど。

網:あとは、代表的な森林保全活動として、密生した木を伐採する「間伐」というのがあって、「おがくず」はこの間伐した木を加工する際に発生するんです。

間伐が進めば「おがくず」が増える、「おがくず」が増えれば寄付金が増えて間伐が進むといった好循環を創り出せればと考えています。

――素晴らしい流れですね!

廃棄物を減らすという意味でゴール12「つくる責任 つかう責任」、森林保全の取り組みは、ゴール6「安全な水とトイレを世界中に」やゴール15「陸の豊かさも守ろう」をはじめ、様々なゴールに繋がります。

おがくずでカブトムシも元気に!

スギやヒノキのおがくずはカブトムシの飼育には適しません。

パートナーシップで新たなチャレンジ!

網:現在廃棄されてしまう食品と「おがくず」を混ぜて、ストーブやボイラーの燃料となる「ペレット」を作るチャレンジを進めています。

――どちらも本来「廃棄」されてしまうものですよね。

網:そうですね。ゴミとゴミを組み合わせてエネルギーを生み出す、なんとしてでも実現したいですね。

――夢がありますね~。ほんとに楽しみです!

網:また、この取組を進める上では様々な団体と連携する必要がありますので、パートナーシップを大事にしていきたいと考えています。

ペレットナーシップですね!

SDGsは中小企業や個人事業でも取り組める!

――SDGsについては、いつ頃、どんなきっかけで、知ったのでしょうか。

網:2018年ごろですね。

所属していた商工会に、日本青年会議所の方がSDGsの普及活動の一環で、講師に来てくれたことがきっかけです。

――そこから、「かながわSDGsパートナー」に登録されるまでは、どのような流れだったのでしょうか。

網:SDGsをもっと詳しく知りたいと思い、神奈川県が主催した「SDGs全国フォーラム」に参加しました。

そこで、自分の取組がSDGsに繋がっているんだということを理解し、「かながわSDGsパートナー」に応募したといった流れです。

――なるほど。
これから取り組む人や企業に対してメッセージなどはありますでしょうか。

網:まずは自分の活動とSDGsを結びつけるところから始めてもらいたいです。

――網野さんもSDGsを意識して活動を始めた訳ではなく、「実はつながっていた」という感じですよね。

網:そうですね。やはり中小企業や個人事業主が本業とは別にSDGsの取組を始めるのはハードルが高いし、「持続可能」ではないと思います。

まずは本業とSDGsを結びつけて、そこから取組を発展させていくことが重要ではないでしょうか。

まずはSDGsを知ることが必要だね!

終わりに

SDGsを知ってから、自分がやっていた取組とSDGsを結びつけていったという話がとても印象的でした。

大企業だけでなく、中小企業や個人事業からも、SDGsの輪がどんどん広がっていけば、世界はもっと良くなっていきますね。

この記事をご覧になっている皆さんも、今日から、小さなことから意識して、できることから始めてみましょう!

『おがくず』と掛けまして、『病』と説きます!

そのこころは?

どちらも、き(木・気)からです!

自分達の取組をSDGsの視点で捉えてみよう!