それでは次はゴール15「陸の豊かさも守ろう」について考えてみよう。
「心の豊かさも守ろう」ってゆうゴールはないんですかね…。
ないけどすごくいい発想だね。18番目のゴールとしたいくらい。
19番目は「ふところの豊かさも守ろう」でどうでしょう?
一瞬でも褒めたことを後悔してます…。
それでは15番目のゴール「陸の豊かさも守ろう」について説明していくよ!
目次
ゴール15「陸の豊かさも守ろう」の概要
山や森林などの自然は、きれいな空気と水の供給源となっており、私たちの暮らしを支えています。
しかし、私たちの暮らしが便利になるにつれ、多くの自然が破壊され、そこで暮らす多くの生物が絶滅の危機にあります。
世界全体での森林の消失面積は年間520万ヘクタールと言われており、これは日本の国土の約14%にあたる森林が1年間で地球から無くなってしまうことを意味します。
520万ヘクタールって、東京ドームで言うと何個分ですか?
大体110万個分。
生物多様性の重要性
また、世界全体での生物の消失数は年間4万種と言われており、1975年観測当時の年間絶滅数の1,000種から、絶滅スピードは40倍にも達しています。
ここでSDGsクイズ!
これらの問題を考えていくうえでとても重要な「生物多様性」はどういう意味でしょう??
お寿司に焼肉、なんでもありの食べ放題のことですね!
ほんと頭の中、食べ物だらけだね・・
「生物多様性」は以下の解説のとおりだよ!
解説:生物多様性とは
人間を含めて全ての生き物は、自分一人、ただ一種だけで生きていくことはできなく、他のたくさんの生物とつながり、初めて生きていくことができます。
そのつながりは、食物連鎖はもちろん、共生の関係まで、多様な関わり合いから成り立っています。
このような、たくさんの生きものがいろいろな場所で互いにつながり合って生きていることを表す言葉が生物多様性です。
地球上の生物にはそれぞれ役割があり、自然界のバランスを保っているということなんですね!
そのとおり!
一つの種が絶滅することで、自然界のバランスが崩れ、時には大きな影響を及ぼすことがあるんだ!
現在日本では鹿が爆発的に増えています。多くの鹿が樹皮を食べることで樹木が枯れ、さらには下草を食べつくし、山の豊かさが失われている地域もあります。
鹿が増えすぎた原因は色々とありますが、一つは鹿の天敵であったオオカミの絶滅にあると言われています。
このように一つの種の絶滅が、時には自然に壊滅的な打撃を与えることから、生物多様性の保全は重要であると言えるのです。
僕のお弁当も最近日の丸弁当なんですが…。
多様性が失われてるね。
これらの森林や生物多様性に関する問題を解決するための目標が、ゴール15「陸の豊かさも守ろう」になります。
ゴール15「陸の豊かさも守ろう」の日本での課題
日本の国土の面積の67%を森林が占めています。そして、そのうち約40%が人工林と言われています。
解説:人工林とは?
自然の森林を伐採し、スギやヒノキの植林を行った森林。日本では昭和20年代に木材の需要が高まったことから、成長が早く建設資材として使いやすいスギやヒノキの植樹を積極的に行った経緯があります。
日本は人工林がとても多いんですね。
でも、なぜそれが課題なのでしょう??
人工林のスギやヒノキは、定期的な間伐や枝打ちなどの管理をすることにより、根がしっかり張って立派な木に成長するんだ!
だけど、海外から価格の安い木材が輸入され、国産木材の需要が低下したことから、間伐や枝打ちが行われなくなり、根が張らない、放置された人工林が全国で増えてしまったんだよ!
放置された人工林では、本来の森林が持つ土砂災害防止機能や水源涵養機能が十分に発揮されないという問題があり、近年の大型台風や集中豪雨により各地で土砂災害が発生しています。
また、放置されたスギやヒノキの人工林では、地面まで日光が届かないため、下草が生えず、生物多様性の損失にもつながると言われています。
ゴール15「陸の豊かさも守ろう」 に対して私たちができること
自然や生物を守るためにできることなんて、個人ではあまりないような…
そんなことはないよ。
まずは、実際に自然や生物に触れてみることから始めるのも一つだよね。
他にもつぎのようなものも考えられるよ!
私たちができること
- 地域団体などがやっている植林活動や森づくりに参加してみる
- 環境に配慮した製品を選ぶようにする
ゴール15「陸の豊かさも守ろう」 のまとめ
まとめ
- 世界全体での森林の消失面積は年間520万ヘクタール、生物の消失数は年間4万種と言われている!
- 日本でも放置されている森林が多いことや、絶滅危惧種が約3,700種もいるなど課題が多い!
- 地域団体などがやっている植林活動や森づくりに参加してみるなど、自分たちでもできることから始めよう!
私たちの便利な生活は、自然や多くの生き物に支えられています。
ゴール15達成のために、目の前の小さなことから意識して取り組んでみましょう。
『森林保全に取り組まない』と掛けまして、『失神』と解きます!
そのこころは?
どちらも、きをうしなう(木を失う・気を失う)ことになるでしょう!
植林活動や森づくりに参加して、森林や生物の消失をみんなで止めよう!
ゴール15のターゲットはこちら!
15.1 | 2020 年までに、国際的合意にもとづく義務により、陸域・内陸淡水生態系とそのサービス(※13)、特に森林、湿地、山地、乾燥地の保全と回復、持続可能な利用を確実なものにする。 |
15.2 | 2020 年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を止め、劣化した森林を回復させ、世界全体で新規植林と再植林を大幅に増やす。 |
15.3 | 2030 年までに、砂漠化を食い止め、砂漠化や干ばつ、洪水の影響を受けた土地を含む劣化した土地と土壌を回復させ、土地劣化を引き起こさない世界の実現に尽力する。 |
15.4 | 2030 年までに、持続可能な開発に不可欠な恩恵をもたらす能力を高めるため、生物多様性を含む山岳生態系の保全を確実に行う。 |
15.5 | 自然生息地の劣化を抑え、生物多様性の損失を止め、2020 年までに絶滅危惧種を保護して絶滅を防ぐため、緊急かつ有効な対策を取る。 |
15.6 | 国際合意にもとづき、遺伝資源の利用から生じる利益の公正・公平な配分を促進し、遺伝資源を取得する適切な機会を得られるようにする。 |
15.7 | 保護の対象となっている動植物種の密猟や違法取引をなくすための緊急対策を実施し、違法な野生生物製品の需要と供給の両方に対処する。 |
15.8 | 2020 年までに、外来種の侵入を防ぐとともに、これらの外来種が陸や海の生態系に及ぼす影響を大幅に減らすための対策を導入し、優占種(※14)を制御または一掃する。 |
15.9 | 2020 年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地域の計画策定、開発プロセス、貧困削減のための戦略や会計に組み込む。 |
15.a | 生物多様性および生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源から資金を調達し大幅に増やす。 |
15.b | 持続可能な森林管理に資金を提供するために、あらゆる供給源からあらゆるレベルで相当量の資金を調達し、保全や再植林を含む森林管理を推進するのに十分なインセンティブを開発途上国に与える。 |
15.c | 地域コミュニティが持続的な生計機会を追求する能力を高めることなどにより、保護種の密猟や違法な取引を食い止める取り組みへの世界規模の支援を強化する。 |
(※13)生態系サービス:生物・生態系に由来し、人間にとって利益となる機能のこと。
(※14)優占種:生物群集で、量が特に多くて影響力が大きく、その群集の特徴を決定づけ代表す種。