相模原市内での企業・団体によるSDGs関連の優れた取組を表彰する「さがみはらSDGsアワード2025」の受賞団体が決定したよ
※昨年度の結果はこちらをご覧ください。
今年の受賞者は次のとおりです!
受賞団体
- 相模原市長賞
㈱ネットフィールド
【廃ロウソクとおが屑を再利用した着火剤「オガチャッカ」の開発】 - 優秀賞
藤野茶業部
【佐野川茶の相模原ブランド構築】 - 優秀賞
相模原市立橋本小学校
【オリジナルの歌と体操で食品ロス削減】 - 協働賞
Kids Fine
【育児に必要な情報発信と障がいのある方向けの居場所づくり】 - 未来創造賞
ランチパッドテクノロジー&パートナー株式会社
【さがみはらプログラミングコンテストの実施】
受賞団体はどうやって決めたのでしょうか?
受賞者決定までの経緯は次のとおりだよ!
受賞者決定の経過
- 募集期間
令和7年6月16日(月)~9月19日(金) - 最終審査
審査委員会※による審査(10月6日(月)開催) - 受賞団体
5団体
※審査委員
- 川廷 昌弘 氏
相模原市SDGs推進アドバイザー、慶應義塾大学特任教授 【委員長】 - 川久保 俊 氏
慶応義塾大学 理工学部システムデザイン工学科 准教授 - 髙橋 巧一 氏
株式会社日本フードエコロジーセンター 代表取締役 - 大谷 聡穂 氏
さがみはら市民活動サポートセンター センター長 - 山岸 絵美理 氏
大月短期大学 経済科 准教授
相模原市長賞:『株式会社ネットフィールド』

取り組み概要
障害者就労支援と資源循環を目的とした地域発の廃ロウソクとおが屑を再利用した着火剤アップサイクル製品「オガチャッカ」を開発し販売している。
ポイント
- 廃材活用によりごみ削減と地域資源の循環型活用を実現
- 令和7年度「相模原市トライアル発注認定制度」に採択され、市のふるさと納税返礼品としての手続き中
- 作業工程の分業化により多様な能力に応じた参加が可能となり、福祉と地域資源循環の両立を実現
審査委員長コメント
津久井産材のおが屑と市内葬儀業者等で廃棄されるロウソクを使用し、津久井やまゆり園等の地域団体と協働しながら進める点に大きな魅力を感じました。資源循環の事業化は相模原市の大きな特徴だと言えます。まずその点に注目しました。そして来年で津久井やまゆり園の事件から10年という節目を迎える中で、この活動が私たち一人ひとりの記憶にとどめ、二度と同じ悲しみを繰り返さないという思いに重なりました。こうした思いが、取組の本質とは別に自然とメッセージとして伝わり、これらを総合的に評価し市長賞にふさわしい活動であると判断しました。今後、地域団体と協働し更なる事業の発展に期待します。
優秀賞:『藤野茶業部』

取り組み概要
里山の自然を守り後継者育成を目的に、佐野川茶の相模原ブランド構築に取り組んでいる
ポイント
- 耕作放棄茶園を4000㎡以上再生し協同作業で高品質の茶葉を生産した。佐野川茶製品を開発・流通、佐野川茶の存在価値を認知してもらえるようになった
- 粉末緑茶は市内企業のアイスクリーム・パン・菓子等製品原料、市内小学校の給食食材に使用された
- 農作物残渣・里山のススキや落葉等を茶園に敷き込むことで里山の自然資源活用・景観保全に寄与
審査委員長コメント
この地域は最盛期で150以上の農家が活躍しておりましたが、時代の流れとともにその数は大きく減少しました。こうした中で、耕作放棄地を再生し地域の伝統的な生産物である「佐野川茶」の復活に取り組まれている点は極めて意義深いものと感じました。佐野川茶という地域資源を再び地域の経済や文化の中心に据え直し、新たな商品として具体的に展開されることは、地域の活性化に確かな広がりをもたらします。地域再生の観点のみならず、都市と自然のベストミックスである「相模原らしさ」も体現しており、多様な視点から高く評価しました。今後、地域の佐野川茶の更なる広がりと相模原ブランドの確立を期待します。
優秀賞:『橋本小学校』

取り組み概要
日本フードエコロジーセンターから食品ロスの現状を学び、児童が自ら作詞した歌とダンスでフードロス意識を高めた。現在、市内企業と連携して相模原SDGsEXPO限定の相模原市オリジナルピザを共同開発している。
ポイント
- 地域の企業や団体と連携しつくりあげ、自分たちで取り組むことで知識として終わらず、仲間、家族、地域に対して自分から広げる行動へ繋がっていく
- 体操や歌を地域イベントやSNSで発信することで、市民の共感と参加が広がり、食育から健康増進、地産地消、環境負荷軽減へと波及している
審査委員長コメント
これまでに2度審査員特別賞を受賞されるなど長年にわたり継続的にSDGs教育へ取り組まれてきました。特定の先生や児童だけでなく、学校全体としてSDGsの理念を捉え、教育活動の中に息づかせる点が大変素晴らしいと感じております。毎回異なるテーマで挑戦しながらも、SDGsの本質を子どもたちに多様な視点から伝え続けていることは、このアワードの審査員としても非常に心強く、誇らしく思います。今後、この継続の力を絶やすことなく、SDGsの達成に向けて子どもたちとともに歩みを進めていただければと思います。
協働賞:『Kids Fine』

取り組み概要
地域で子育て世代が孤立しないよう、育児に必要な情報を発信したり、日曜日に障がいのある方が安心して過ごせる第二のリビングのような場所を提供している
ポイント
- 学校卒業後に障がいのある若年層の方が自分で選んで参加するコミュニティースペースをつくったことで、ボランティアに支えてもらい社会経験の幅を広げることで自信がつき、自分で休日を楽しめるよう変化がみられた
- イベントやマルシェ、日頃の地域活動をすることで障がいに対しての理解が周囲へ広げられた
- 市民フェスタ、子ども居場所サミット以外に地域祭りやマルシェに出張し、2023年度の活動は年60回、参加者221人で柔軟に活動の場を広げた
審査委員長コメント
障がいのあるお子さんとその家族に対して、安心して集い、支え合える居場所を提供する取組を続け、親も孤立することがないよう、地域の方々と協力しながら、共に支え合う仕組みを築いている点が大変素晴らしいと感じております。相模原市の理念である「共にささえあい 生きる社会」を体現するものです。地域社会全体で協働し、共生の輪を広げていく本取組みは「協働賞」の趣旨にも最もふさわしく高く評価しました。今後、より多くの地域の皆様の理解と協力を得ながら、この温かい活動の輪がさらに広がっていくことを期待します。
未来創造賞:『ランチパッドテクノロジー&パートナー株式会社』

取り組み概要
子どもたちの創造力・表現力を育み、地域のIT教育推進と次世代人材育成を目的として、プログラミングコンテストを開催している。また、AI画像生成ワークショップやタイピング大会など、プログラミング以外の新しい体験も組み込み、子どもたちに幅広い学びの機会を提供した。
ポイント
- イベントを通じて、地域社会が子ども支援の重要性を認識し、企業・市民・行政が連携して子どもたちの居場所づくりに取り組む動きが広がった
- 自身の作品を発表し、審査やフィードバックを受けるプロセスを設けることで、子どもたちの表現力・主体性・達成感を育んだ
審査委員長コメント
現代社会は、AIをはじめとする情報技術が急速に発展し、すでに私たちの生活や学びの在り方を大きくかえつつあります。こうした中で、次代を担う子どもたちに対しIT教育を推進し、正しく理解し活用する力を育むことは極めて重要な取組であると考えます。IT技術の活用方法や学びの可能性を伝えるだけでなく、その背景にある倫理観や社会的責任についても学ぶ機会を設けていることは、まさに「未来価値」を創造する活動と言えるでしょう。こうした総合的な視点と、広く地域社会へ波及する教育的効果を高く評価し、未来創造賞として選出させていただきました。今後、本取組が継続的に実施され将来のIT人材育成に繋がることを期待します。
終わりに
ご申請いただきました取組はいずれも大変素晴らしく、審査会では予定していた時間を越えて白熱した議論が行われました!ご応募いただいた皆様に改めて感謝を申し上げます。
皆さん本当にありがとうございました!
