今回お話を伺ったのは、相模原市で農産物の移動販売を行っている、つどや 代表の小川 豊さん。
『地域の方々の役に立つ』をモットーに、移動販売を通じた買い物弱者支援や地域コミュニティの創出、規格外野菜の販売による食品ロスの削減など、SDGsの達成に繋がる様々な取り組みを行っています!
突然だけど「集る」って読めるかな?
「お腹いっぱい食べる」ですかね…
正解は「たかる」でした!
「つどる」じゃないんだね。それではつどやの小川さんにお話を聞いていくよ!
つどや
小川 豊さん
プロフィール
近年、高齢化が進み、街中においても買い物に不自由している方が増加していることから、2019年4月に起業し、相模原市内を中心に農産物の移動販売を行う「つどや」を始める。
移動販売スタート時、販売場所は1カ所のみだったが、現在は市内6ヶ所にて販売中。
また、買い物支援だけではなく、お客さんとのんびりお喋りしながら、見守りや地域コミュニティの創出など、地域づくりにも取り組んでいる。
新鮮な野菜を安心価格で届ける
ー 野菜の移動販売をしているとのことですが。
小:はい。月曜から金曜の週5日、車に新鮮な野菜を積み込み市内各所で販売をしています。
―どのような場所で販売を行っているんですか?
小:飲食店や自治会さんにご協力いただいて、お店の駐車場をお借りしたり、団地の集会所をお借りして販売を行っています。販売場所についてはHPをご覧ください。
―野菜はどのように仕入れるのですか?
小:私自身が相模湖ひぐらし農園さんで農作業の手伝いをしているのでそこで採れた野菜や、地元の農家さんのところへお伺いし、直接集荷した野菜を中心に仕入れて販売しています。
―とても新鮮な野菜を販売されているのですね!しかも地産地消はとてもいい取り組みですね。
小:はい、新鮮さはつどやの売りの一つですね。地産地消にもこだわっていますが、地元の野菜だけだと野菜の種類が限られてしまうので、横浜中央卸売市場で仕入れもしています。
―収穫や集荷もして市場にも行くとなるとかなり大変ですね…。新鮮さ以外にも売りはありますか。
小:日常的に新鮮な野菜をたくさん食べてもらえるように、お手頃価格にて販売できるよう努めています!
ー新鮮でお手頃、素晴らしいです!
小:他にも農薬・化学肥料不使用の安心安全な野菜や、キズありや変形などの規格外の野菜も販売しているところも売りですね。
―規格外野菜の販売は食品ロスの削減につながりますね!
小:はい。さらに販売できない野菜は子ども食堂で使用していただいたりもしています。また、地元の農家さんの野菜を多くの子ども食堂で活用していただくため、社会福祉協議会に届ける配送のボランティアもしています。
僕のところにも届け…
ません。
人が集う場所
―移動販売を始めたきっかけはありますか?
小:もともと企業で野菜の販売の仕事をしていたのですが、「より地域に密着した、地域の為に役立つ仕事がしたい」と思うようになったことが一つですね。
―移動販売が地域に役立つ?
小:一つは「買い物困難者」の問題です。近くにスーパーが無い方もいますし、あっても野菜って結構重いので、家まで持って帰るのが大変なんですよね。特に高齢者の方は実際に苦労されています。
―確かにそのとおりですね。
小:そしてもう一つ、つどやの移動販売は地域コミュニティの創出にもつながると考えています。
―移動販売と地域コミュニティ…。
小:はい。つどやはお客さんとのコミュニケーションを大事にしているため、「接客3割、雑談7割」を心がけています。お客さんは野菜を買うだけでなく、おしゃべりをしに来ているような部分もありますね。
―なるほど。お客さんと楽しく会話するために心がけていることはありますか?
小:「いらっしゃいませ」と言わないことですかね。「客」と「販売員」という関係ではなく、「人」と「人」との関係をつくるよう心がけています。そのほうが自分も楽しいですし♪
―「自分が楽しい」という点は重要ですよね。常連さんが増えているのでは?
小:そうですね。常連さんからは「スマホの使い方を教えてほしい」なんてリクエストがあったりします。
―笑。お客さん同士のつながりも生まれているのでしょうか?
小:はい。例えばお客さんから野菜の調理方法を聞かれた時などに、「○○さん、どうやって食べてる?」みたいな感じで他のお客さんに振ったりしています。
そうしていると、自然とお客さん同士で顔見知りになり、つながりが生まれていきます。
―なるほど!工夫をされているのですね。
小:そうですね。昔は水汲みのついでに井戸の周りで「井戸端会議」をやっていたように、買い物のついでに移動販売車の周りでご近所の方々がおしゃべりをする、そんなイメージです。
―とても分かりやすいです!
小:移動販売は時間が決まっているので、「今日は◯◯さん来てないわね、様子を見に行こうかしら」みたいなこともあって、見守りにもつながっているのかなと思います。
―まさに地域コミュニティの創出ですね。
僕は買い物ついでの試食が楽しみです。
地域コミュニテイと全然関係ないから。
今後について
―今後の展望をお聞かせください。
小:移動販売を起点として、色々な場所でコミュニティを創っていきたいですね。
―地域コミュニティの衰退が課題となっていますのでとても期待していますが、半分ボランティアとなっているような気もしますが…。
小:確かにボランティア的な部分もありますが、お喋りをしたり困りごとを解決したりすることで、それを目的に買い物に来てくれるのであれば、その点では事業の一部と言えます。まあ、好きでやっているんですけどね(笑)。
―結果として持続可能な取り組みとなっている点が素晴らしいです。
小:さらに拡大していけるように、いずれは市内に店舗を構えつつ移動販売をするなんてことも少し考えています。
―とても楽しみです。
小:色んな分野でオンライン化が進み色々と便利になり、それ自体は素晴らしいことだと思います。
ただ、情報弱者や地域コミュニティが衰退している現代においては、対面での「つながり」は重要だと思います。福祉(幸福)を追求し、豊かな地域づくりの構築に向け、活動を続けていきたいと考えています。
終わりに
起業して事業を続けるにあたっては様々な苦労もあるかと思いますが、そんな顔は一切見せず楽しそうにお話をしてくれた小川さんの笑顔がとても印象的でした。今日もどこかで「笑顔」と「つながり」を生み出していることと思います。
つどやとかけて、オリンピックと解きます。
その心は?
どちらもせいか(青果・聖火)で人がつながるでしょう!
地域コミュニティの大切さを再認識しよう!