今回、お話をお伺いしたのは、アジア・アフリカなどの途上国の子供たちに日本で使われなくなったパソコンを届け、IT教育の機会を創出する取り組みをしている「NPO法人Class for Everyone(クラスフォーエブリワン)」の代表を務める髙濵さん。
勉強をしたくても、生まれた環境を理由に諦めざるを得ない子どもたち。
そんな子どもたちにパソコンやタブレットが提供されることにより、教育の機会が創出されることは、SDGsゴール4「質の高い教育をみんなに」などに繋がると言えます。
また、日本で使われなくなったパソコンをリユースすることは、ゴール12「つくる責任 つかう責任」につながっていると言えます。
新しいパソコンが欲しくて妻に相談したら、割り算ができる電卓を買ってくれました。
割り算ができない電卓ってあるのかな?
とにかくパソコンは使わなくなるから、クラスフォーエブリワンさんに相談してみよう!
それでは詳しくお話を聞いていくよ!
class for Everyone
髙濵 宏至 さん
プロフィール
熊本県熊本市出身。
学生時代に訪れたフィリピンで、ホストファミリーが家族のように接してくれた経験から「いつか恩返ししたい」という思いが生まれ、システムエンジニアの会社に勤務後、2011年にNPO法人「class for Everyone」を立ち上げる。
相模原市緑区から世界中の途上国にパソコンを届けている。
リユースから学びをつくる
――具体的にどんな取り組みをしているのでしょうか?
髙:企業や個人の使わなくなったパソコンやタブレットを、発展途上国の子供たちに届ける活動をしています。
――取り組みを始めたきっかけはありますか?
髙:フィリピンで縁石で勉強をしている少女に出会い、生まれた環境によって質の高い教育を受けることができない子どもがいるという現実を目の当たりにしたのが一番のきっかけです。
――IT教育は日本をはじめとした先進国では当たり前になってきていますが、途上国の状況はどうなんでしょうか?
髙:活動を始めた2011年頃はパソコンを持っていない子供がほとんどでした。
しかし、現在は途上国でもスマートフォンが普及し、2人に1人以上はスマートフォンを持っている状況です。
――えっ!意外と進んでいるんですね!
髙:途上国でもスマートフォンは当たり前になりつつありますね。
――活動をしている中で、途上国の子供たちは十分な教育が受けられていないという実感はありますか?
髙:発展途上国でも初等教育を受けることのできる子供は9割というデータもありますが、「継続性のある教育」「質の高い教育」といった視点では地域によってバラつきがあると感じています。
――髙濵さんの活動がそのバラつきを埋めるということですね。
パソコンやタブレットがあれば、世界中のどこにいても質の高い教育を受けられる可能性が広がるね!
エネルギーをみんなに
――パソコンやスマートフォンを使うには電気が必要だと思うのですが。
髙:その通りです。
2013年にフィリピンに滞在している時に台風が直撃し、3週間停電したことがあり、私の活動は電気がないと何もできないという当たり前の事実に気づきました。
――藤野(相模原市緑区)に来ることになったのもそのことがきっかけと聞いています。
髙:藤野(相模原市緑区)に自分たちで使う電気を自分たちで作る活動をしている「藤野電力」さんがあることを知り、電気の作り方を教えてもらったのがきっかけですね。
――当たり前に使っている電気がどのように作られているか知らない人も多いと思います。
髙: 初めて電気を自分で作ったときに「おもしろい!」と感じ、途上国の子供たちにもその体験をしてもらい、その電気で持ってきたパソコンを使ってもらうという取り組みも始めました。
――現地で電気はどのように作るのでしょうか?
髙: ソーラーパネルとバッテリーを現地に持っていっています。
そして最終的には現地の学校に寄付しています。
――電気を使えるようになった現地の人の反応はどうでしょうか?
髙: とても喜びますね!ソーラーパネルを盗みに来るといった事件も起こったりしますが(笑)
――それだけ求められていたということですね!(笑)
自分たちでエネルギーを作り、途上国にも電気を届けることは、ゴール7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに 」に繋がるね!
SDGsに対する思い
――髙濵さんは、SDGsにいつ頃から取り組んでいるのでしょうか?
髙: 2015年頃から活動内容を紹介するチラシにSDGsの関連するゴールのロゴを掲載しています。
それぞれのゴールがとても分かりやすくデザインされていることもあり、活動をもっと推進できるきっかけにもなると思い、取り組み始めました。
――まだSDGsが今ほど認知されていない時から取り組みをしているんですね!
これからSDGsに取り組む人はどのように考えていけばよいでしょうか?
髙: まずはあまり難しく考えず、自分がどのゴールを達成することに貢献できるか、何番目のゴールを埋めていくか、ちょっとしたゲームのように捉えても良いかもしれません。
――なるほど!それならイメージしやすいですね。
その他、活動を通じて感じることやメッセージはありますか?
髙:自分たちの活動は「途上国支援」と捉えられがちですが、個人的に「支援している」という感覚は全くなくて、逆に途上国の子どもたちからたくさんのことを学んでいます。
「支援する」、「支援される」という関係を築くのではなく、「お互いが学び合う」という感覚を持ってSDGsに取り組むことで、世界はきっとより良くなると考えています。
苦労を全く見せずにインタビューに答える高濱さんの笑顔がとっても印象的でした!
終わりに
SDGsの取り組みを通して、お互いが学びあっていけば、世界はもっとより良くなるという話が印象的でした。
この記事をご覧になっている皆さんも、世界に目を向けて多くのことを学びましょう!
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