エステ店が取り組むSDGs!~ジェンダー平等を実現しよう~
【 有限会社たけみや 】

エステ店が取り組むSDGs!~ジェンダー平等を実現しよう~<br>【 有限会社たけみや 】

今回、お話をお伺いしたのは、「相模原中の女性をキレイに、元気に、幸せにしたい!」をコンセプトに、化粧品とエステのお店「たけみや」を経営している遠田文江さん。

遠田さんの会社は、女性が働きやすく、活躍できる職場を提供し、相模原市や九都県市から、「女性活躍推進企業」としてホームページなどで紹介されています。
また、2019年に実施された「総合計画×SDGsシンポジウム」のパネリストとして登壇しているんです。

「女性が働きやすく活躍できる職場」は、SDGsゴール5「ジェンダー平等を実現 しよう」などに繋がると言えます。

女性だったらこんな会社で働いてみたい!

今回は、そんな多くの女性は活躍している「有限会社たけみや」の代表取締役遠田さんに、『どのような取組をしているか』『SDGsに対する思い』などについてお話を聞いてきたよ!

今回のインタビューに答えてくださった方

有限会社たけみや
遠田 文江さん

プロフィール

神奈川県相模原市出身。

大学卒業後、衣料品製作の会社に勤めていたが、いずれは母親の化粧品店を継承したいとの思いから、美容師の国家資格を取得し、その後、資生堂に入社。
資生堂ビューティーサイエンス研究所にて、スキンケア、エステ技術を学ぶ。
1998年に母親が他界した際に、女性従業員やお客様など多くの人が涙している姿を見て、「たけみやを廃業させてはいけない」と考え、事業を継承。
継承後、化粧品販売だけでなく、エステも導入し、多くの人を笑顔にしている。2006年に法人化。

どんな取組をしているか?

―― 女性が働きやすい職場を作ろうと遠田さんが考えたのはなぜでしょう?

遠:美容業界を長年見てきましたが、短い時間で低賃金など、不安定なパートの採用で働く方たちが多くて、特に女性の仕事への定着化が低いというのが気になっていて、何とかその現状を変えたいという思いがありました。

―― なるほど。確かに美容業界はそういった傾向があると聞いたこともあります。

遠:はい。さらに女性は、結婚や妊娠、出産、子育てなどのライフイベントに伴い、働きたくても色々な問題から離職を選択する人もいます。
そういったライフイベントに左右されずに、女性が働き続けられる職場を作りたいという思いもあります。

―― 素晴らしい!

遠:そのために、まずは個人事業主としてやっていたお店を法人化しました。法人化することによって、健康保険などのことはもちろんだが、スタッフ達が「正社員」という社会的信用を獲得することができます。

―― 中々、女性が「正社員」として働くことが難しい会社が多い中、そういった選択肢があるのは嬉しいですね。

遠:「フルタイムでばりばり頑張って働きたい」、「夫の扶養の範囲内で働きたい」など様々なスタッフの要望に応え、働き続けたいと思われるような経営をしたいと考えています。

―― その他、女性が働きやすい環境づくりとして、具体的にどんな取組をしているんですか?

遠:子育てをしているスタッフなどは、子どもの送り迎えなど、勤務時間が変則になることも多いです。
そういったことにも対応できるように、スタッフ10人で柔軟なシフト制を組んでいます。

―― 勤務時間を柔軟に組めるのは、働くお母さんとしては嬉しいですね。

遠:また、「子どもが急に熱を出してしまい、出勤できない!」なんて時も、スタッフ同士が支え合う精神で、嫌な顔1つせずに柔軟にシフトを交換しています。

―― とても雰囲気が良い職場なんですね!

遠:そうですね。よくある「有給なんて取るの・・・?」といった雰囲気なんかもなく、スタッフの有給取得率も高いです。

―― そういった雰囲気の良い職場を作る秘訣は何でしょう?

遠:普段のコミュニケーションが大事だと考えています。
夏にはスタッフの家族も含めたBBQ大会、冬の忘年会では3チームに分かれたカラオケ大会なんかも実施しています(笑)

―― 楽しそう!女性10人のカラオケ大会盛り上がりそうですね(笑)

遠:仕事以外のコミュニケーションもとても大事です。また、スタッフとのご家族とも交流することで、仕事への理解や協力を得られると思っています。

―― そこまで考えているんですね。遠田さんのスタッフに対する思いが伝わってきます。

遠:お店の経営は何より「人」だと考えています。お客様の満足度を上げるためには、まずはスタッフの満足度です。
スタッフが笑顔で楽しい気持ちで働けることがお客様にも伝わっていき、お客様の感動に繋がっていきます。

お店のスタッフ達が笑顔で働いているところを実際に見て、まさに「女性活躍」を実感したよ!
そして、何より遠田さん自身が一番生き生きして、パワーがありました!

その他のSDGsの取組

―― その他 SDGsに関する取組をされていますか?

遠:化粧品を入れるビニール袋をエコバックにしました。このエコバックをお店のキャンペーンなどで配布しています。

―― 可愛いデザインですね!しかもよく見るとSDGsって書いてある!

遠 : ただのエコバックではなく、SDGsの普及啓発もしたい思いから、デザインに入れました。

―― 凄い!お客様の反応はどうですか? SDGs を知っている人はどのくらいいるのでしょうか?

遠:ほとんどいないですね。ですので、渡すときには、私が一から「 SDGs とはなんぞや」ということをレクチャーしています!(笑)

―― 素晴らしい!まさに SDGs の伝道師ですね(笑)

遠:それ以外では、高齢になりお店に来れない方のために、介護施設に出張して、エステを提供する事業を始めました。介護施設への訪問などのノウハウもないため、訪問美容のお店の「trip hair salon HINATA」さんと連携しています。

―― SDGs3「すべての人に健康と福祉を」に繋がっていきますね。また、色々な業種と連携していくことはSDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」とも言えます。

遠:当店のコンセプトが「相模原中の女性をキレイに、元気に、幸せにする」ですので、その達成のために、色々な業種と連携してやっていきたいと考えています。

エコバックを配り、お客さんにSDGsを教育するお店なんて聞いたことない!
こんなお店がもっと増えるといいな!

SDGsに対する思い

―― 遠田さんは、そもそもSDGsをどこで知ったのでしょう?

遠:昨年市が行った「総合計画× SDGs シンポジウム」のパネリストで出席した際に知りました。

―― そうだったんですね。そこから何か意識が変わりましたか?

遠:大きく変わりましたね。国や企業、自治体、小さなお店など、取り組むべき対象はたくさんあるけど、結局は個人が取り組むことが大事だということに気づきました。

―― とても大事な考えです。

遠:それで、すぐに何か行動に移さなければと思い、エコバックなどの取組なども始めました。

―― 凄い行動力ですね!
最後に、遠田さんにとってSDGsとは何でしょう?

遠:「自分が変わらないと、 SDGs は実現できない!」です。
一人ひとりは小さな力ですけど、最終的にはやはり個人が変わらない限り、世界は変わらないと考えます。

「自分が変わらないと、 SDGsは実現できない!」
とてもいい言葉だね。
みんながその意識になってくれたら嬉しい!

終わりに

SDGs を知ってから、実際にすぐに行動に移し、SDGs に貢献しようとする姿勢が印象的でした。
また、お客様にまでSDGsを直接、普及啓発しているお店があることは、とても嬉しいことです。

この記事をご覧になっている皆さんも、まずは身の回りの人にSDGsを教えてあげることから初めてみましょう!